Tokai(東海楽器製造株式会社)の名機Talboシリーズ最新作「Talbo3」が登場。1983年に誕生したアルミボディの伝統を継承しながら、最新技術で進化を遂げたその特徴とスペックを、Talboユーザー目線で詳しく解説します。
Tokai Talboってどんなギター?
Tokaiの歴史とTalbo誕生の背景


HISASHIシグネイチャーモデル「LFO×JETSPEEDER」©IKEBE GAKKI Co.,Ltd.
Tokai Talboは、Tokai(東海楽器製造株式会社)が1983年に発表した“アルミボディ”が特徴のエレキギターです。2025年6月現在、国内では池部楽器店がライセンス販売を行なっています。
1983年、Tokaiはマーティン、グレッチ、アンペグの世界3大ブランドの日本総代理店を行なっていました。輸入と販売を通じて培ったギター製造ノウハウを、自社ブランド開発に活かす形でオリジナルギターの制作に着手します。
最初はフェンダーやギブソンのコピーモデルを製作していましたが、1983年に独自モデル「talbo(タルボ)」を発表。一般的な木製ボディではなく、アルミニウム合金を使用した斬新なボディが大きな特徴です。
Talboのアルミボディは、車のエンジンやアルミホイール製造にも使われる鋳造技術で作られており、クイックレスポンス、ロングサスティーン、ノイズレスを実現しています。
1983年当時は上下2枚を溶接する2プライ構造でしたが、1994年以降は溶接なしの1ピースボディを採用。ボディ内にウレタンフォームを挿入することで、残響を抑えたサウンドに進化しています。
1990年代に入ると、日本のロックバンド“BUCK-TICK”の今井寿や、GLAYのHISASHIが使用し始めたことにより再び注目を集めました。GLAYのHISASHIとは、”TALBO Secret FACTORY”というコラボレーションを始動させ、数々のシグネイチャーモデルを生み出しました。
Tokai Talboのバリエーションと特徴
Talboシリーズは、コピーから脱却し独自のアイデンティティと技術を結晶させた革新的なギターです。金属ならではの質感、音の抜け、ユニークなルックスは現在も高く評価されています。
モデル名 | 特徴 |
---|---|
Talbo | シングルまたはハムバッカー搭載、原型モデル |
Talbo Bass(1987年) | アルミボディのエレキベース |
Talbo Woody(1999年) | 木製2ピースボディで温かみのあるサウンド |
Talbo Junior(2000年) | アルミフレーム+中空、ビルトインアンプ搭載 |
Blazing Fire | 韓国製、アクリル素材使用 |
さらに、「Talbo TG」や20周年記念モデル「Secret Factory」など、ユニークな機能を持つレアモデルも存在します。
※こちらで紹介したモデルはTokaiの国内モデルのみであり、海外モデルを始め三鷹楽器、イケベ楽器、神田商会のモデルは含みません。
Talbo3ーTokai最新モデル
【新製品】新 #タルボ 第二弾
— 東海楽器製造株式会社 (@tokaiguitars_jp) June 25, 2025
Talbo3 発売開始
Talbo Jr.を彷彿とさせる
無垢材アルミニウムの削り出しボディ
アルマイト加工で耐食性、耐摩耗性の向上
Tokaiの加工技術を余すことなく取り入れた、最高のTalboです。
直販価格:¥396,000(税込)
購入のお申し込み↓https://t.co/vQYW3EXQPT#tokai… pic.twitter.com/He4nnOTXbC
Tokaiは、2025年のTalbo新製品7弦モデルに続き、A6061アルミニウム削り出しボディの販売を発表しました。新#タルボ第二弾として、Talbo Jr.を彷彿とさせる無垢アルミ削り出しボディに、耐食性・耐摩耗性を高めるアルマイト加工を施しています。Tokaiの最新加工技術を活かした最新のTalboモデルです。
Talbo3のスペックは、以下の通りです。
- モデル名:Talbo3
- ボディ:アルミニウム(削り出し)
- カラー:SG,BR,RD
- ネック:メープル
- フィンガーボード:ローズウッド
- スケール:648mm
- フレット:SBB-215 22F
- トナー:GOTOH SG510-A07-XC
- ブリッジ:Wilkinson VS100N
- ピックアップ:L-WHITE LWS-1×2(ネック、ミドル)、L-WHITE LWH-1×1(ブリッジ)
- コントロール:NECK/NECK+MIDDLE/MIDDLE/MIDDLE+BRIDGE/BRIDGE
2025年TALBOの新製品は7弦モデルに続き、A6061アルミニウム削り出しボディで登場!
全体のサイズ、ネック、ピックガード、トレモロは通常TALBOと同一フォーマットで、ボディのみEVO同様骨格構造で登場です。
ピックガード下も貫通したボディ構造で残響防止の為ウレタンを詰め込み、トレモロスプリングは2本装着でチューブをはめ込み共振対策済。
Wilkinsonトレモロブロックは通常の42mmを使用の為、ボディ厚30mmに対して出っ張る為もっこりしたバックプレートを装着!
搭載PUはオリジナルLWS-1×2,LWH-1×1を採用!
重量≒3.2[Kg]の軽量タイプでTALBOの重厚感よりもライトな感覚です。引用元:池部楽器オンラインストアより引用
「Talbo3」の発売日は、7月初旬からのようで、Tokai公式サイトから注文ができます。なお、イケベ楽器でも7月初旬に入荷が予定されています。
Tokai公式サイト実際にTokai Talbo(Woody)を弾いてみた感想

Tokai Talboといえばアルミボディが最大の特徴ですが、”Talbo Woody”は木製ボディモデルです。あまり一般受けしなかったため短命でしたが、音色と弾き心地は意外な魅力があります。
その音色や弾き心地は、良い意味でTokaiらしさを裏切るものでした。Talbo Woodyの特徴や、ストラトやレスポールと比較した印象をまとめました。
- スケール:655mm(実寸)、ロングスケール
- 重量:ストラトと変わらない印象
- フレット:22
- ネック:ストラトより細めで握りやすい
- サウンド:低音から高音までバランスが良く粒立ちが揃う
まず、スケールや重量に関してはストラトに近い印象を受けます。しかし、フレット数は22フレット、ピックアップもハムバッカー搭載と、レスポールと同じなのが特徴的です。さすがにレスポールほどのパワーはありませんが、ストラトほど細くもありません。
こちらのギターは購入から約18年ほど経っており、購入当時も中古だったため、Talbo Woodyに最初からハムバッカーを搭載していたモデルが存在したのか、前オーナーがカスタムしたのかまでは永遠に謎のままです(笑)
また、購入から約18年+中古購入のため、すでにかなりの年月が経っているにもかかわらず、現在でも大きなネックの反りやねじれがないことにも驚きます。当時のTokaiの技術力の高さが窺えます。
Tokai Talboはこんな人におすすめ


Talbo3「ACV-501-SH」©IKEBE GAKKI Co.,Ltd.
Tokai Talboは、アルミボディが特徴的なエレキギター。他とは違う見た目のギターを探している方、独特なルックスと未来感あるデザインに惹かれる方にぴったりです。
クイックなレスポンス、ノイズの少なさ、サスティーンに力を入れているので、音の立ち上がり(レスポンス)やサスティーンを重視する方にもおすすめできます。ギターの構造や素材にこだわる方も、鋳造アルミ、無垢削り出し、ウレタン充填などのマニアックな作りに惚れ込むかもしれません。
さらに、アーティストモデルやコラボモデルも多く、特にGLAYのHISASHIやBUCK-TICKの今井寿のファンなら一度は弾いてみたい1本でしょう。
まとめ&Tokai Talboをチェック


Talbo「A-101SH」©IKEBE GAKKI Co.,Ltd.
Tokai Talbo「Talbo3」のスペックや特徴の紹介から、Talboの歴史やバリエーション、実際にTokai Talbo(Woody)を使ってみた感想をまとめました。
Talboというとアルミボディが特徴的で重量があるイメージがありますが、今回発表された「Talbo3」は試作機で3.7kgと軽量タイプで扱いやすそうなのが魅了的です。Tokaiの加工技術を余すことなく取り入れた、最高のTalboを是非お試しあれ。
Tokai Talboには様々なモデルがあるので、お気に入りの1本を見つけてみてください!

※本ページの情報は2025年6月時点のものです。最新の配信状況は公式サイトをご確認ください。