GLAYのオフィシャルファンクラブ「HAPPY SWING」の発足30周年を記念した特別公演「HAPPY SWING 30th Anniversary GLAY SPECIAL LIVE We♡Happy Swing Vol.4 extra “DREAMY” in VENEZIA」が、イタリア・ヴェネツィアで開催されました。
海を越えた先で待っていたのは、ただの海外ライブではありません。長く聴いてきた音楽と、そこへ辿り着くまでの時間が重なり、遠い場所を夢見る気持ちをもう一度呼び覚ましてくれる夜でした。
本記事では、GLAYヴェネツィア公演のセットリストと、音楽の先に広がっていた忘れられない景色を振り返ります。
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GLAYヴェネツィア公演の概要

| 開催日 | 2026年6月13日(土)・14日(日) |
|---|---|
| 会場 | PALAZZO DEL CASINÒ SALA PERLA |
| 開催地 | イタリア・ヴェネツィア/リド島 |
| 公演形式 | 1日2公演・全4公演 |
| 参加公演 | 2026年6月13日(土)2nd Stage 開場18:00/開演18:30(現地時間) |
リド島で迎えた特別な一日
公演会場となったのは、ヴェネツィア本島から海を隔てたリド島にある「PALAZZO DEL CASINÒ SALA PERLA」。歴史ある建物が立ち並ぶヴェネツィア本島とは少し違い、リド島には海辺の街らしい穏やかな時間が流れています。
街を歩けば、すぐそばに水上バスの船着き場があり、少し先には長い砂浜が続く。その日常とリゾートの間にあるような島で、これからGLAYのライブが始まることが、どうにも不思議に感じられました。
ヴェネツィアまで来たことも、リド島に滞在していることも、その先でGLAYを観られることも、まだどこか夢の中の出来事のようでした。
最初に浮かんだのは“近い”のひとこと
会場に入り、席からステージを見た瞬間に浮かんだのは、ただひとこと。
“近い”でした。
日本の大きなアリーナやドームで観るGLAYとは、まるで距離感が違います。ステージは想像していた以上に近く、客席と演奏する場所との間に、ほとんど境界がないように見えました。
さらに開演時には、メンバーが客席の左右から現れ、観客のすぐそばを歩いてステージへ向かいます。
遠い日本からヴェネツィアまで会いに来たはずなのに、最後の数メートルはGLAYの方からこちらへ近づいてきてくれたようでした。
GLAYが、もう一度遠い場所へ連れ出してくれた
遠い国を簡単には夢見られなくなっていた頃
海外旅行は、以前よりも気軽に思い描けるものではなくなっていました。
いつか行きたい場所があっても、そのいつかはなかなか現実になりません。日々の暮らしやさまざまな事情を考えるうちに、遠い国へ向かう夢そのものを、心の奥へしまいかけていました。
そんな時に届いたのが、GLAYがヴェネツィアで公演を行うという知らせです。
行きたいではなく、行かなければ
公演を知った時、最初に浮かんだのは、単純な行きたいという気持ちではありませんでした。
これは、行かなければならない。
もちろん、不安がなかったわけではありません。遠い国への移動も、慣れない土地での滞在も、簡単に決められることではありませんでした。
それでも、GLAYに会いにヴェネツィアへ行ける機会は、もう二度と訪れないかもしれません。
長い間聴いてきた音楽が、再び遠い世界へつながる扉を開いてくれました。立ち止まりかけていた背中を押し、もう一度、知らない場所へ向かう理由をくれたのです。
ヴェネツィアで始まった「the other end of the globe」
夢が現実へ変わった1曲目

ライブの幕を開けたのは、「the other end of the globe」。
それまで、この曲を特別な一曲として強く意識していたわけではありません。ところが、ヴェネツィアという遠い土地で聴いた瞬間、曲が持つ景色と、その時置かれていた状況がぴたりと重なりました。
日本を離れ、海を越え、GLAYの待つ場所まで本当に辿り着いた。
まだ夢の中にいるようだった感覚が、TERUの歌声を聴いた瞬間に現実へ変わっていきます。
全身でGLAYを浴びた瞬間
透明感があり、どこまでも伸びていくTERUの声が、会場いっぱいに広がっていきます。大きな会場のスピーカー越しに届く歌声とは違い、声の振動や息づかいまで、まっすぐ身体へ届いてくるようです。
音を聴いているというより、全身でGLAYを浴びているような感覚でした。
その時、心の底から浮かんだのは、「ここまで来られてよかった」という思い。
ヴェネツィアへ来られたことだけではありません。GLAYを好きになった頃から長い時間を歩き、さまざまな出来事を越えて、この場所まで辿り着けたこと。そのすべてに対する言葉でした。
長く閉じていたものがほどけ、本当に羽が開いたように感じられました。
新旧のGLAYが鳴り響いたヴェネツィア
一気に熱を高めていく序盤
「the other end of the globe」の余韻を残しながら、ライブは「サバイバル」「口唇」「Dead Or Alive」「INAZUMA」「汚れた英雄」へと続きます。
疾走感のある曲が次々と重なり、夢のようだった会場の空気が、一気に熱を帯びていきました。
ステージとの距離が近い分、メンバーの表情や身体の動き、楽器を鳴らす姿まで鮮明に見えます。音楽だけでなく、GLAYというバンドが目の前で呼吸していることまで伝わってくるようでした。
これまでのGLAYと、現在のGLAY
激しい流れの中で演奏された「BELOVED」には、それまでとは違う温かさがありました。
長く聴かれてきた曲が、遠く離れたヴェネツィアでも変わらず鳴り響く。その光景には、時間も国境も越えていく音楽の強さがあります。
一方で、「Unleashed」からは、現在も前へ進み続けているGLAYの姿が伝わってきました。
懐かしい曲を届けるだけではなく、新しい音楽を生み出しながら進んでいる。その両方が同じステージに並んでいたからこそ、この夜は思い出を振り返るだけのライブにはなりませんでした。
「グロリアス」と「SOUL LOVE」が連れてきた、あの頃の景色
一瞬で学生時代に戻った「グロリアス」
ライブの中でも、特に胸を強く揺さぶられたのが「グロリアス」と「SOUL LOVE」です。
どちらも学生時代に何度も繰り返し聴いていた曲だったからか、「グロリアス」が始まるなり、当時見ていた景色や、何気ない日常の断片が次々と浮かびます。
音楽には、聴いていた頃の空気まで保存されているのかもしれません。
イントロを聴いただけで長い年月を飛び越え、ほんの一瞬、学生時代へ戻ったように感じられました。
戻れない時間に恋焦がれる「SOUL LOVE」
続いて演奏された「SOUL LOVE」もまた、過ぎ去った時間を鮮やかに連れてきました。
昔に戻りたいわけではありません。今の時間を捨てて、あの頃をもう一度やり直したいわけでもありません。
それでも、もう触れられない季節や、二度と同じ形では戻ってこない瞬間には、どうしようもなく心を引かれてしまうことがあります。
ウェールズ語には、ヒラエス(Hiraeth)という言葉があります。
故郷や、もう戻ることのできない場所、過ぎ去った時間へ向けた深い郷愁や切望を表す言葉です。懐かしさや寂しさだけでは言い表せない、愛しさと痛みが入り混じった感情を含んでいます。
「SOUL LOVE」を聴きながら感じていたのは、きっとヒラエスと呼ばれるものに近かったのでしょう。
あの頃に聴いていたGLAYと、ヴェネツィアで演奏する現在のGLAY。その間には、長い時間があります。
だけど、音楽が始まれば、離れていた時間はひとつに繋がる。曲は変わらずそこにあり、聴いてきた時間だけが、静かに積み重なっていました。

終盤に込められていた、生きていくための音楽
「誘惑」から始まる最後の疾走
「誘惑」から「VERB」「生きてく強さ」へと続く終盤は、立ち止まる暇を与えないほどの勢いでした。
過去を懐かしむ時間から、再び前へ進む時間へ。
「生きてく強さ」というタイトルが、ヴェネツィアまで歩いてきた道のりと重なります。
華やかな成功だけではなく、迷った日や、立ち止まった時間も抱えながら、それでも進んでいく。GLAYの音楽が長く聴かれ続けてきた理由のひとつは、そんな不器用な強さにあるのかもしれません。
「BEAUTIFUL DREAMER」が残した未来
「I’m loving you」「KISS’N NOISE」を経て、最後に演奏されたのは「BEAUTIFUL DREAMER」でした。
夢のような一日を締めくくる曲でありながら、そこにあったのは終わりの寂しさだけではありません。むしろ、これから先にも、まだ見たことのない景色が待っている。そんな未来へ向かう力が残されていました。
ヴェネツィア公演は、長い旅の目的地でした。
しかし、最後の音が鳴り終わった時、その場所は新しい出発点にもなっていました。
GLAYヴェネツィア公演のセットリスト
ヴェネツィア公演では、GLAYの初期から現在までの歩みを辿るような全16曲が披露されました。
セットリストを見る|2026年6月13日(土)2nd Stage
- the other end of the globe
- サバイバル
- 口唇
- Dead Or Alive
- INAZUMA
- 汚れた英雄
- BELOVED
- Unleashed
- グロリアス
- SOUL LOVE
- 誘惑
- VERB
- 生きてく強さ
- I’m loving you
- KISS’N NOISE
- BEAUTIFUL DREAMER
※曲順は公演当日の記録をもとに掲載しています。
振り返ってみると、このセットリストには、長い間聴いてきた曲が驚くほど多く並んでいました。
初めてGLAYの音楽に触れた頃から、現在へ至るまで。それぞれの時代に聴いてきた曲がヴェネツィアの一夜に集まり、これまでの時間を辿るような構成になっています。
単に人気曲が並んだというだけではなく、ひとつの人生の節目で聴いてきた音楽が、まとめて目の前に現れたようでした。
ここまで来られてよかった
昔は想像できなかった景色

学生時代、何度もGLAYの曲を聴きながら、遠い未来について考えていました。
とはいえ、その未来にヴェネツィアがあり、リド島があり、その場所でGLAYを観る夜が待っていることまでは、想像できませんでした。
人生には、思い通りにならないことも、遠回りにしか見えない時間もあります。それでも歩き続けた先に、かつては想像さえできなかった景色が現れることがあります。
ヴェネツィア公演は、そのことを確かめさせてくれる夜でした。
遠回りした時間も、すべてここへ繋がっていた
これまでの嫌だったことや、苦しかった時間のすべてが、この日のためにあったとは言い切れません。
つらい出来事には、後から意味を与えなくてもいいものもあります。
それでも、ヴェネツィアでGLAYの音楽を聴いていた間だけは、それらを含めたすべての道が、この場所へつながっていたように感じられました。
過ぎた時間を否定する必要も、やり直す必要もない。
ここまで来られたという事実だけで、一度すべてが満たされ、静かにほどけていくようでした。
音楽の先にあった、忘れられない夜
終着点ではなく、ひとつの転換点

長く聴いてきたGLAYをヴェネツィアで観ることは、大きな物語の終着点にも思えました。
ところが、実際にその夜を迎えてみると、何かが終わったという感覚はありません。大きな節目であることは間違いなくても、これは終わりではなく、ひとつの通過点です。
旅へ向かう前と後では、見える景色が少し変わりました。
もう遠い場所を簡単に諦めなくてもいいこと。まだ新しい景色を見に行けること。そして、長く好きでいたものは、思いがけない未来へ連れていってくれること。
そんな小さな確信が残りました。
ヴェネツィアで触れた、自由のかたち
ヴェネツィアとリド島で何度も感じたのは、自由でした。
何にも縛られないことではなく、知らない街を歩き、遠い空を見上げ、長く聴いてきた音楽に包まれた時、ふっと心がほどけること。
GLAYが歌ってきた自由とは、決まった何かではなく、人生の途中で出会う“あの瞬間”に宿るものなのかもしれません。
GLAYが連れてきたヴェネツィア
GLAYに会うために、ヴェネツィアへ行きました。
ただ、旅を終えて振り返ると、GLAYの方がヴェネツィアまで手を引いてくれたようにも感じられます。
音楽がなければ出会わなかったかもしれない街。足を運ばなかったかもしれないリド島。見ることのなかった海や、歩くことのなかった道。
そして、その場所で暮らす人々の笑顔や、旅の途中で交わした言葉、慣れない土地で受け取ったさりげない優しさも、この旅を形づくる大切な記憶になりました。
美しい景色だけでは、きっとここまで深く心に残る場所にはならなかったのでしょう。そこに人がいて、言葉を交わし、温かさに触れたからこそ、ヴェネツィアとリド島は遠い異国の街ではなく、いつかまた帰りたいと思える場所になりました。
そのすべてが、GLAYが連れてきてくれた出会いでした。
そして音楽の先に待っていたのは、ライブだけではありません。これまでの時間とこれからの未来、美しい街とそこで出会った人々がひとつにつながった、忘れられない夜です。
あの瞬間に感じたことも、あの旅で出会った景色や人の温かさも、きっとこの先まで残り続けます。
ここまで来られて、本当によかった。
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※公演情報はGLAY公式特設サイトを参照し、本文およびセットリストは2026年6月13日(土)2nd Stageの記録をもとに構成しています。

